日本にいるとよく聞く、「アメリカは治安が悪そう」コメント。確かに日本に比べると犯罪が多いのは確か。でも、現在アメリカ国内で起きているデモ騒動は治安の問題ではなく、トランプ政権の違法行為に対して一般市民が一般市民を守ろうとしている事に対する地元の警察と連邦警察の問題なのです。

説明します。

トランプは常に、アメリカの社会問題や犯罪行為は移民・違法移民がいるから起きている問題と前から言っています。選挙運動中には「移民を追放する」と約束したので、移民管理局の連邦捜査官を利用して「移民であろう」と思われる人、そして違法移民を探し出して強制出国させているのですが、この強制出国も母国に送り返すと言う事例もあれば、どこかの国の刑務所に送って放置すると言う事例もあるのです。

アメリカの憲法には移民も違法移民も国の司法制度によると適正手続きをする権限があるとされています。と言う事は、勝手に人を強制出国させる事は出来ない事になっているはず。憲法を無視するトランプ。大統領からして無視すると、防衛長官も司法長官も様々な大臣たちも無視してよしとなるのです。エルサルバドル出身の男性を適正手続き（裁判）なしでエルサルバドルの刑務所に送ったと言う事が大きな問題となってからは、連邦最高裁判所の裁判官9名全員が「彼をアメリカに戻せ」と言ったにも関わらず、1ヶ月以上彼をそのまま刑務所に残すなど、連邦最高裁判所の命令をも無視する我が大統領。

それだけではありません。移民管理局の捜査官に歩道を歩いている移民（大学院生）を逮捕させる、小学校の卒業式に参加している子供と家族を逮捕させる、職場に乗り込んで職員を逮捕させる、裁判所に手続きをしに来た人をその場で逮捕させるなどと言った今までにない恐ろしい環境を意図的に作っているのがトランプ政権。違法なのであらゆる裁判所の裁判官はこれをストップさせようとしているのですが、それもトランプは無視。

ある日、ドアの外に誰かが立っていて、「出てきなさい」と逮捕令状がないのに移民を連れ出す。病院で治療を受けている子供も連れ出す。赤ちゃんを抱いている母親から赤ちゃんを離して二人とも逮捕。

これが現状なのです。

なぜ市民がここまで抗議するのか。

逮捕令状なしで警察は家にも学校にも会社にも入り込む事はできないのです。この事実を知らない人がいるので捜査官と警察は「いや、令状なしでもいいんだ」と言うと怖がり、そのまま着いて行く。これも事実なのです。

この大統領自ら法律に従わない、違法な行動を取られると「次はトランプが気に入らないアメリカ人も捕まるかも」と言う懸念があるのです。ビザがあってアメリカにいる人も関係なく逮捕。法律が関係なくなると怖いのです。

だから市民が抗議するのです。

日本でニュースになるデモ騒動の映像は見ていません。が、ただの警察に対する反抗と勘違いされるのではないかと心配です。

政府のトップを信用する事ができなくなったアメリカ。ただ事ではないのです。抗議しないと、デモしないと「いや、別に警察も捜査官も好き勝手にどうぞ」となってしまうのです。警察や連邦捜査官が人を誘拐しているような現状なのです。

ここまで大きなデモ抗議をしないといけない環境を作っているのはトランプ。私たちが取る行動が果たして彼の行動をストップするかはこれから先分かる事です。

いい加減にしろ！と、私たち一般市民が大胆なデモをしないといけないのです。

今、機内から書いています。夫の叔父が亡くなり、これからお葬式に参加するためにデンバーに向かっているのですが、明日、デンバーでも大きなデモが行われる予定なので私も参加しようと思っています。

これが現在のアメリカなのです。