アメリカ豆知識
昨夜の夢が教えてくれる言葉の使い方
日本と違い、アメリカは家の外を出ると様々な人種のアメリカ人と外国人に出会う。よっぽど田舎に住んでいなければ周りに「私と違う」と思われる人がいて当たり前なのだ。これを強烈に嫌がるアメリカ人は確かにいる。でも、嫌がって解決される事でもないと嫌々認識しなくてはいけない。
今でもアメリカは白人主義。だが、数十年先には白人の国民とその他の人種の国民の数が段々と同じになっていく。こうなると白人主義で通そうとしても無理なのだ。白人主義の英語が普通だったのだが、今は違う。これが大きな政治・社会問題になっているのも事実。
この良い例が私の昨夜の夢。
日本に来て1週間。毎晩みる夢がとにかく面白いのだ。アメリカにいる時の夢とは全く違うのだ。どう違うかがなかなか説明できない私。でも、朝起きて「面白かった〜」と上機嫌なのだ。ちなみに朝が苦手な私が朝イチから上機嫌なんて普通ならあり得ない話。日本食が夢の質を変える?こんなのってあり?
昨夜の夢は、新しく彼氏が出来た事。この彼氏が黒人だった。
ここがポイント。
「彼氏ができた」と白人の私が言えば、ほぼ100%周りは普通に白人の彼氏と思い込む普通があった。意図的に「黒人の彼氏ができた」と言わない限り、人種は「白人以外」の時しか使わないのだ。
黒人の大統領。今までは普通に大統領 = 白人男性と言う「普通」があったので、オバマ大統領が2回当選したのはアメリカの黒人にとっては奇跡でもあり、革命でもあった。ちなみに、今でもオバマ大統領の話になると、必ず彼の「黒人ステータス」が取り上げられる。誰もクリントン大統領の事を「白人大統領」と言わないのに、白人以外の人は「白人ではない」と言う事が強調される。
性別の違いもそう。
女性エンジニア。女性の医者。女性のパイロット。女性の消防士。大抵、エンジニアも医者もパイロットも消防士も男性である事が「普通」とされてきた為、意図的に男性ではない事を言わないと完全に「男性」と思い込むのだ。
女性も場合も人種の場合も白人男性ではない、と言うその違いを最初から表に出さないと「男性であって普通」とか「白人であって普通」とか勝手に解釈して良かった時代から変化しつつあるアメリカ。これは白人男性にとってはちっとも面白くない話なのだ。
日本人に知ってもらいたい理由はこう。日本人がアメリカ人に「弊社のエンジニアチームを紹介します」と言った場合、5人のエンジニアの中で女性が一人いる、と強調してはいけないのだ。また、女性が最後に紹介されるのも良くない。現在のアメリカは女性のエンジニアがいて普通なので、意図的に女性をハイライトしなくてもいいのだ。
ちょっとした「仕返し」もある。女性エンジニアがリーダーだった場合、意図的に「男性エンジニアのジョージ」と言う様にもなってきている。女性を強調するなら男性も強調するべきと、言う意味だ。これを「仕返し」と言う理由もある。今まで意図的に「女性を雇った」とか「外国人を雇った」と自慢げに言っていた上司たちに、「もう違うから」と多少バカにしている気持ちもあって言う。これも事実。
昨夜の夢の私の彼氏は「たまたま」黒人だった。ここで友達に「昨夜黒人の彼氏ができた夢をみたの」と言えば、変な目線を感じて普通。
嫌でも変わっていく社会。特に昭和の年代の日本人にとっては理解できない、嫌なこと、疲れると思われるだろう。私も昭和の人なので、アメリカのこの変化についていくのに疲れが出るのは確か。この場合は、知って得もそうなのだが、普通が変わりつつある、と言うこの事実を知ってもらいたく紹介したアメリカ豆知識。
昨夜の夢。具体的な内容は覚えていない。でも、朝から上機嫌な私は夢で良いことがあった、と解釈して今日も一日ハッピー。