元カレの会

高校生の時、東京のインターナショナルスクールに通っていた。結構昔の話。その時の同級生と今でも仲間とするグループがある。みんなの機嫌によってメンバーが出て行ったり戻ってきたりと必ずしも人数はいつも同じなのではないが、平均的に6名。女は私一人。紅一点なのに、集まると大抵下ネタの話から始まってどんどんそこから悪化と言うのだろうか、下品な話になって行く。やめようとする気配が全くない時代があり、私も「あんたら違う話できないの」とキレた時があった。思い切りキレたのだ。「お前だって」と言われては私がもっと怒る。最近は集まる事前に「彼女の前ではあれこれ言うな」と男同士で話し合い、頑張ってくれたのだが(当たり前なんだけど)それをまた私にわざわざ言う。「お前の為に下ネタの話してないんだぞ」と「言うそれ?」と何度も思った時もあった。などなど、とにかく面白い・憎たらしい連中なのだ。そして、メンバーの半分と高校生の時に付き合ったと言う歴史があるので自由に話す。こういう事実もある。私の元カレの会なのだ。

現在はメンバーの意見割れで今回の日本滞在中にはみんなで会う事は出来ないと最初から諦めていた。でも、どうしても会いたい人が数人いて、昨夜は私の大好きな焼肉屋に一人を連れて行った。

彼はヤス。ナイスガイ。いい奴。笑いが止まらない時間だった。彼が笑って私が怒る話題がいくつもあった。2020年に日本を離れ、アメリカに住んで5年目。夫はアメリカ人。白人。周りに日本語で話せる人が少ない。簡単に言うと、日本語が前のように出てこないのだ。それを見てヤスは笑う。私は自分に怒る。それを見てまたヤスが笑う。

昨夜は、焼肉が薄いと言いたかったのだが、「薄い」が出てこなかった。色々考えた中、「細い」で諦めてしまった私。間違っていると分かっていたので言う意味がない。ヤスも英語と日本語を自由に話せるので、「細い」と言ったとしても分かっていたと思う。自分に厳しい私を見てヤスは何度も爆笑。そこで私がまた悔しくなり、「うるさい!」と返すとまた彼が笑う。結局「細いと言おうと思った」と告白し、今度は私も笑った。

高校生の時からの知り合いだからだろうか、理解があるのだ。一緒にいて楽しい。一緒にいて落ち着ける。全く頼りにならない奴もいるのだが、困ったら助けてくれると信頼出来る奴がほとんど。ヤスには完全に頼れる。

お互いに支え合う。お互いに相手を理解している。これが私に取ってはとても重要なのだ。外国人として日本に長くいると同じ経験をしている人が欲しくなる。長くいるからこそ観光客や駐在員は全く分からない、経験しない事を私たちは経験している。ヤスは日本人だが、私の気持ちに共感できるのだ。これは珍しい事と思う。

何度も日本人に「お前は外人だから理解できないんだ」と言われてきた。それがどれだけ嫌かが分かる日本人は少ない。ヤスはその一人。彼は元カレの一人ではないけれど、お互いに相手が好きなのは事実。「好き」と言うのは付き合いたい存在と言う意味ではない。私には夫、彼には彼女がいる。「会おうよ」と言って「嫌だ」と言う訳がない人なのだ。ユニークな経験をしていると分かってくれる人は本当に大事な存在なのだ。それがヤスを含む元カレの会。

また必ず会うと彼も私も分かっている。これがお互い(また日本語が出てこない)。。。(笑)素敵なのだ。(全然違うでしょう、アミア)。あ〜あ。どうしよう。

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